スロージギングロッドを検討していると、シマノのグラップラーシリーズで必ず候補に挙がるのが「タイプJ フルベンド」と「タイプ スローJ」です。名前が似ているうえにどちらも「曲げて獲る」系統のロッドなので、違いが分かりにくいという声をよく聞きます。この記事ではこの2つのロッドの違いを解説していきます。
まず結論:設計思想の違い
グラップラー タイプ スローJは「スロー系ジギング専用」に特化したロッドです。ジグをゆっくり跳ね上げてフォールで魅せる、スローピッチジャーク中心の釣りに設計が寄っています。
グラップラー タイプJ フルベンドは「ワンピッチもスローピッチも両方こなせる」万能型です。ブランクスのコアに高強度カーボンソリッド「タフテック∞」を採用したハイブリッド構造で、フルソリッドならではの粘り強い曲がりと反発力を両立しています。

発売時期比較
| モデル | 発売時期 |
|---|---|
| 25グラップラー タイプ スローJ | 2025年1月 |
| 26グラップラー タイプJ フルベンド | 2026年4月 |
フルベンドの方が1年以上新しいモデルです。スローJがリニューアルされてから約1年後に、新カテゴリとして投入された形になります。
価格比較
| モデル | 価格帯 |
|---|---|
| 25グラップラー タイプ スローJ | 実売21,000〜23,000円程度 |
| 26グラップラー タイプJ フルベンド | 定価35,000〜36,500円(税別)、実売3万円前後 |
フルベンドの方がやや高価格帯です。上位機種のオシアジガーフルベンド(実売5〜6万円台)と比べると、フルベンドという新構造を手頃な価格で体験できるモデルという位置づけです。
数値スペック比較表
グラップラー タイプ スローJ(全5パワー)

| 品番 | 全長 | 自重 | 適合ジグウェイト | 適合PEライン | 対応水深(速い誘い) | 対応水深(スロー) | 対応魚種・ターゲット |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| B66-1 | 6.6ft | – | MAX160g | MAX1.5号 | 60m+α | 100m+α | 根魚、タチウオ、浅場の青物 |
| B66-2 | 6.6ft | – | MAX200g | MAX2号 | 80m+α | 150m+α | 近海のブリ、浅場〜深場のタチウオ、青物、浅めエリアのアカムツ |
| B66-3 | 6.6ft | 125g | MAX260g | MAX2.5号 | 100m+α | 200m+α | 60〜100mのジギング全般、200mオーバーの中深海 |
| B66-4 | 6.6ft | 130g | MAX330g | MAX3号 | 130m+α | 250m+α | 日本海・丹後半島の青物、ドテラ流し、キハダ(バーチカル) |
| B66-5 | 6.6ft | 135g | MAX400g | MAX3号 | 160m+α | 300m+α | カンパチ、キハダ、ドテラ流しの強風時青物、中深海400m |
※各パワーの使いどころは、シマノ公式(山本啓人氏コメント)に基づきます。全モデル6.6ftでレングス統一。適合リールサイズは200〜4000番の範囲でパワーごとに変動します。
グラップラー タイプJ フルベンド(全5パワー)

| 品番 | 全長 | 自重 | 適合ジグウェイト | 適合PEライン | 対応水深(速い誘い) | 対応水深(スロー) | 対応魚種・ターゲット |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| B60-1 | 6.0ft | 139g | MAX160g | MAX1.5号 | 60m+α | 100m+α | 近海を軽快に攻める、食い渋り時のライトターゲット |
| B60-2 | 6.0ft | 151g | MAX200g | MAX2号 | – | – | タチウオ、シーバス、真鯛、サクラマス |
| B60-3 | 6.0ft | – | MAX260g | MAX2.5号 | – | – | ブリ、ヒラマサ(ワンピッチ〜スロー)、全国の「ど真ん中」モデル |
| B60-4 | 6.0ft | 138.2cm仕舞 | MAX330g | MAX3号 | 120m+α | 200m+α | キハダ、大型青物、ドテラ流し、ビンチョウ |
| B60-5 | 6.0ft | 138.2cm仕舞 | MAX400g | MAX4号 | 150m+α | 240m+α | 大型青物、マグロ類(40kg+α)、根魚 |
※全モデル6.0ftでレングス統一。スローJより0.6ft短い設定です。B60-3以降は主に大型・遠征ターゲットへとシフトします。
この2つの表から読み取れること
① 適合ジグウェイト・PEラインはほぼ同じ
同じパワー番号(1〜5)で比較すると、適合ジグウェイトと適合PEラインの数値はほとんど一致しています。つまり「どれだけ重いジグを背負えるか」という基本スペックは大きく変わりません。
② レングスが0.6ft(約18cm)違う
スローJは6.6ft、フルベンドは6.0ftです。フルベンドの方が短く、より手元でダイレクトに操作しやすい設計です。スローJは長さを活かした大きなフォールアクションの演出に向いています。
③ 対応水深はフルベンドの方がやや深い設定
同じパワー帯で比較すると、フルベンドの方が対応水深がやや深く設定されている傾向があります(例:B60-4は速い誘いで120m+α、B66-4は130m+αとほぼ同等ですが、スロー系の対応水深はフルベンドが上回るパワー帯もあります)。
ただし数値の差はわずかで、実釣上の体感差は誘い方や個人の技術によるところが大きいです。
④ 番手ごとの対象魚種はほぼパラレル
両モデルとも1〜2番はタチウオ・根魚・浅場の青物といったライトターゲット、3番前後がブリ・ヒラマサなどの中核ゾーン、4〜5番がキハダ・マグロ・大型青物という大まかな棲み分けは共通しています。
大阪湾のタチウオジギングを主目的にするなら、両モデルとも1番・2番が候補になります。
※ここ大事で個人的に大阪湾のタチウオジギング用に購入しようと考えています。
どちらを選ぶべきか
スロー系の誘いだけを極めたい、じっくりフォールで魅せる釣りがしたい → グラップラー タイプ スローJ
ワンピッチもスローピッチも1本でこなしたい、曲げてバラシを減らす新しい釣りを試したい → グラップラー タイプJ フルベンド


予算を抑えて入門したい → グラップラー タイプ スローJ(実売2万円程度〜)
最新のフルベンド構造を体感したい、汎用性を重視したい → グラップラー タイプJ フルベンド(実売3万円程度)
大阪湾のタチウオジギングにおいては、B60-2/B66-1〜2クラスがそれぞれ実釣で使われている実績があります。低活性時のフォールでの喰わせを重視するならスローJ、ワンピッチも織り交ぜてテンポよく探りたいならフルベンドが候補になります。
まとめ
数値スペックだけを見ると、両モデルの基本性能(ジグウェイト・PEライン対応)に大きな差はありません。選ぶ基準になるのは「レングスの好み」「ワンピッチを使うかどうか」「予算」の3点です。
まだどちらもタチウオジギングに使えるロッドとして実績があるので、すでにグラップラーシリーズのリールをお持ちなら、まずは予算に応じてどちらかを試してみるのがおすすめです。



それでは本日も皆様の爆釣と安全釣行をお祈り申し上げます。

コメント