ティップエギング(ボートエギング)において、ロッドに求められる性能とは何か。 波に揺られる船上でエギを安定させる「ステイ性能」。 微細なイカのアタリを目で捉える「目感度」。 そして、深場からの信号を手元で感じる「手感度」。
これらを極限まで突き詰めたシマノの最高峰、「26セフィア リミテッド ティップエギング」が、2026年2月、満を持してフルモデルチェンジを果たします。

定価10万円オーバー。 恐らく、市場にあるティップランロッドの中で最も高価な部類に入ります。 しかし、そのスペックを知れば、この価格が単なるブランド料ではなく、物理的なアドバンテージを得るための対価であることが理解できるはずです。
今回は、最新素材「トレカ®M46X」の採用や、グリップ周りの革新的な設計など、大幅な進化を遂げたこの「究極の1本」について、全4機種のラインナップと共に徹底解説します。

>>シマノ公式:26セフィア リミテッド ティップエギング 製品ページはこちら
第1章:限界を突破した「4つの技術革新」
前作(2020年モデル)からの最大の進化点は、「細身化」と「感度」の両立です。
「細いのに、強い」を実現した【トレカ®M46X】

今回の最大のトピックは、ブランクスのメイン素材に東レの最新高弾性カーボン「トレカ®M46X」を採用したことです。 これをシマノ独自の「スパイラルXコア」構造で締め上げることで、前作以上に「細身」でありながら、圧倒的な「つぶれ剛性」と「反発力」を手に入れました。
ティップランにおいて、ブランクスが細いことは絶対的な正義です。 風の抵抗を受けにくくなり、強風下での操作性が向上。さらに、ジャーク時の空気抵抗も減るため、一日中シャクっても疲れ知らず。 「パリッとしているのに、負荷がかかると粘る」。そんな玄人好みの理想的な調子が完成しています。
手のひらと一体化する【カーボンシェルグリップ】

リールシート部分には、中空構造で振動伝達率を高めた「カーボンシェルグリップ」を新採用。 特筆すべきは、グリップ表面が多面的な「スライス形状」に加工されている点です。 軽く握り込んでも指が平面にピタリと吸い付き、水中のエギの向きや潮の重みが、まるで指先の延長のように伝わってきます。

脇挟み性能を高めた【新形状カーボンモノコック】

リアグリップはおなじみの「カーボンモノコックグリップ」ですが、形状が進化しています。 従来よりも「くびれ」を大きくし、エンド部分の形状を見直すことで、脇に挟んだ時の安定感が劇的に向上しました。 ティップランはロッドを脇で固定してアタリを待つ釣り。 この部分のフィット感が増したことで、船の揺れによるブレが収まり、結果としてティップの安定(=釣果)に直結します。 また、ブランクスからグリップまでが一体となって響くような「反響感度」も、この構造ならではの恩恵です。
トラブルゼロへの挑戦【フルXガイド】

ガイドシステムは、シマノオリジナルの
「Xガイド」をトップからバットまでフル採用。 軽量化による振り抜けの良さはもちろん、糸絡みを防ぐ傾斜フレームや、段差のない設計により、強風下でのライントラブルを徹底的に排除しています。
第2章:全4機種のラインナップと使い分け
2026年モデルは、アングラーのスタイルや海況に合わせて選べる全4機種(S610L-S、S68ML-S、S63ML+-S、S511M-S)がラインナップされました。 それぞれの個性を深掘りします。
■ S68ML-S:迷ったらこれ。「王道」のバーサタイル

- 全長: 6’8″ (2.03m)
- エギウェイト: MAX 60g
- 適合ライン: PE 0.4-1.0号
シリーズの中核を担う、最もスタンダードなモデルです。 「ML(ミディアムライト)」という硬さは、浅場から深場、無風時から強風時まで、あらゆる状況で80点〜100点の回答を出せる万能さがあります。 6フィート8インチという長さは、ストロークを活かしたジャークもしやすく、波がある時のステイも安定させやすい絶妙な設定。 「最初の1本」として最高峰を選びたいなら、迷わずこのモデルです。
■ S610L-S:荒天を制する「柔」のロングロッド

- 全長: 6’10” (2.08m)
- エギウェイト: MAX 40g
- 適合ライン: PE 0.3-0.8号
今回、特に注目されているのがこの「L(ライト)」パワーのロングモデルです。 ティップランで最も難しいのは、「波が高い日にエギを止めること」。 船が上下に揺れる中、硬い短い竿ではエギも一緒に暴れてしまい、イカが抱きません。 このS610L-Sは、しなやかなベリー(胴)と長いレングスが船の揺れを吸収(サスペンションの役割)し、荒れた海でもエギをピタリと静止させることができます。 低活性時や、日本海側の冬の荒波攻略には欠かせない一本です。
■ S63ML+-S:攻撃的に掛ける「剛」のショート

- 全長: 6’3″ (1.91m)
- エギウェイト: MAX 70g
- 適合ライン: PE 0.4-1.0号
「ML+」という少し強めのパワーと、6フィート3インチの取り回しの良さを併せ持つモデル。 こちらはS610L-Sとは対照的に、「積極的に動かして掛ける」スタイルに特化しています。 キレのあるジャークでリアクションバイトを誘ったり、アタリを感じた瞬間に即アワセを決めたり。 高活性な秋の数釣りや、アングラー側から仕掛けていく攻めの釣りが好きな方に最適です。
■ S511M-S:深場・激流・大型狙いの「特化型」

- 全長: 5’11” (1.80m)
- エギウェイト: MAX 80g
- 適合ライン: PE 0.4-1.0号
シリーズ最短・最強のモデル。 5フィート台のショートレングスは、80gクラスの重いエギやシンカーを装着しても、手首への負担が少なく軽快に操作できます。 水深50m以深のディープエリアや、潮流が激しいポイントで、レッドモンスター(大型アカイカ系)を狙うならこのロッド。 短い分、手感度はシリーズ随一で、着底や前アタリがダイレクトに響きます。
第3章:なぜ「10万円」のロッドが必要なのか?
「ティップランなんて、数千円の専用竿でも釣れるでしょ?」 そう思う方もいるかもしれません。確かにイカは釣れます。
しかし、26セフィア リミテッドが提供するのは「釣果」だけではありません。 「海中の解像度」です。
- エギが潮を噛んだ瞬間の重み。
- イカがエギの後ろについた時の、フワッとした水流の変化(抜けアタリの前兆)。
- 雑味のないクリアな反響感度。
これらは、安価なロッドではノイズに埋もれてしまう情報です。 M46Xとカーボンシェルグリップが生み出す「クリアな情報」は、これまで「なんとなく釣れていた」1杯を、「狙って獲った」1杯に変えてくれます。
その体験にお金を払う価値があると思うアングラーにとって、この10万円は決して高い投資ではありません。
まとめ:2026年、ティップエギングの基準が変わる
26セフィア リミテッド ティップエギングは、単なるモデルチェンジではありません。 素材工学の進化を、シマノの技術力で釣果に変換した、工業製品としての傑作です。

- S68ML-S:万能の王道
- S610L-S:荒天時の切り札(波を吸収)
- S63ML+-S:攻めのショート(掛け重視)
- S511M-S:深場の特化型(ディープ&ヘビー)
発売は2026年2月予定。 春の親イカシーズン、そして来たる秋の最盛期に向けて。 今、手に入る最高の武器を携えて、大海原へ漕ぎ出してみてはいかがでしょうか。
それでは本日も皆様の爆釣と安全釣行をお祈り申し上げます。

コメント