【完全訂正版】シマノ「ピットブル G9」徹底解剖。G5の不満を消し去った、”沈むPE”の最終進化形

ピットブル G9 新製品
ピットブル G9

PEラインの歴史において、「高比重(沈む)PE」は常にジレンマを抱えていた。 風に強く、ボトム感知能力に優れる反面、その構造(芯材+PE)ゆえに「糸が平べったくなる」「ガイド鳴りがうるさい」「飛距離が落ちる」という弱点があったからだ。

シマノの名作「ピットブル G5」も例外ではない。 5本撚り構造によるコストパフォーマンスは革命的だったが、その独特の使用感に妥協していたアングラーも多かったはずだ。

しかし、2026年。その妥協は終わる。 新登場した「ピットブル G9(PITBULL G9)」は、「9本撚り(x9)」という新たな構造を採用することで、高比重PEのネガティブな要素を物理的に排除することに成功した。

「沈むのに、丸い」。 「沈むのに、滑らか」。

これは単なる新製品ではない。高比重PEラインにおける、一つの「到達点」である。

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第1章:「G」の正体と、9本撚りの必然性

まず前提として、「G9」のGは「Gravity(重力=比重)」を指す。 通常のPEライン(比重0.97)が水に浮くのに対し、G9は高比重繊維を芯材に複合することで、水に沈む比重(約1.18〜1.25前後)設定となっている。

なぜ「9本」なのか?

高比重9本構造
高比重9本構造

前作G5は「4本のPE+1本の高比重芯材」の5本構造だった。 奇数本数は断面が五角形になりやすく、どうしても「角(カド)」が出る。これが糸鳴りや潰れの原因だった。

対してG9は、「8本のPE+1本の高比重芯材」という9本構造を採用している。 芯材を包み込むPEの本数が倍増したことで、断面は限りなく「真円」に近づいた。 これにより、高比重ライン特有の「きしめん感」が消滅。 指で触れても、ガイドを通しても、まるで高級な8本撚りPEのような「ツルツル感」を実現している。

第2章:玄人が唸る「3つの物理的アドバンテージ」

安定した強度としなやかさで定評のあるIzanas®繊維
安定した強度としなやかさで定評のあるIzanas®繊維
ライン表面にシリコンコーティング

「風」を切り裂く直進性

通常のPEは風に弱く、空中で糸フケが出る。 しかし、G9は「重さ」があるため、キャスト後のラインが素早く水面に落ち着く。 さらに、9本撚り化によって表面の凹凸が減ったため、横風を受けた際の「風切り性能」が劇的に向上している。 強風下のサーフや、冬の北風が吹くティップエギングにおいて、この「ラインが暴れない」感覚は圧倒的なアドバンテージになる。

「糸鳴り」の静粛化

G5ユーザーの最大の悩みであった「シャー」というガイド鳴り。 G9では、断面の真円性が高まったことで、このノイズが激減した。 静寂なエリアトラウトや、繊細なバスフィッシングにおいて、リトリーブ中のノイズは集中力を削ぐ最大の敵。 G9なら、高比重のメリット(レンジキープ力)を享受しつつ、シルキーな巻き心地を手に入れることができる。

ボトム感度の「解像度」

「沈む」ということは、ラインが水中で直線になりやすいことを意味する。 浮くPE特有の「水面でのたわみ」が発生しないため、ルアーからロッドティップまでが最短距離で結ばれる。 これにより、小さなバイトや、ボトムの底質変化(泥か砂か)が、ぼやけずに明確な信号として伝達される。 特にディープエリアや、軽量リグを沈める釣りにおいて、その情報の「濃さ」に驚くはずだ。

第3章:推奨される用途とセッティング

ピットブルG9は「万能ライン」ではない。 「沈む」という特性を理解してこそ輝く、玄人向けのラインだ。

高比重シンキングPE
高比重シンキングPE

■ バスフィッシング

  • ノーシンカー / ミドスト / ホバスト ラインの重さを利用して、ルアーを浮き上がらせずに一定層を引く釣りに最適。フロロカーボンの操作感と、PEの飛距離・強度を両立できる。

■ ソルトウォーター

  • ティップエギング / イカメタル 風に強いため、ドリフト中のラインメンディングが容易になる。エギを狙ったタナに素早く送り込めるのもメリット。
  • バチコンアジング / SLJ 潮流が速いエリアでも、ラインが潮に流されすぎず、リグをバーチカル(垂直)に近い状態で維持できる。
  • チニング / ロックフィッシュ ボトムの「コツコツ」という質感がクリアに伝わるため、根掛かりを未然に回避しやすくなる。

■ 注意点:トップウォーターには不向き 当然だが、ラインが沈むため、ペンシルベイトやポッパーなどのトップウォータープラグには向かない(ルアーの頭を下げてしまうため)。適材適所の使い分けが必要だ。

まとめ:高比重PEは「我慢して使うモノ」ではなくなった

これまで、高比重PEを使うことは「操作性を犠牲にして、沈むメリットを取る」というトレードオフだった。 しかし、ピットブルG9の登場でその図式は崩れた。

「沈むのに、快適」

この矛盾を解消したG9は、ライトリグを操るすべてのアングラーにとって、フロロでも通常のPEでもない、「第3のメインライン」となる資格を十分に持っている。 一度巻けば、風の日の釣りが「苦行」から「独壇場」に変わるだろう。

それでは本日も皆様の爆釣と安全釣行をお祈り申し上げます。

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