「サーフロッドは重くてダルいのが当たり前」 そんな時代はとうの昔に終わりましたが、この「26オーバーゼア SX」の登場で、その進化は一つの到達点に達したと言えるでしょう。
2026年4月に発売される本モデルは、実売価格5万円台(定価5万円強)というハイクラス帯に位置します。 しかし、搭載されているテクノロジーを見れば、その価格設定が「安すぎる」と感じるはずです。
第1章:玄人が唸る「SVF × AGS」の融合

SVFカーボン
SVFカーボンは、HVFより更にレジン量を減らすことで、より多くのカーボン繊維を密入し、軽さ・パワー・細身化を実現しました。
まず、ブランクス素材に「SVFカーボン」が採用されている点に注目してください。 通常のエントリー〜ミドルクラスに使われるHVFではなく、レジン量を極限まで減らしたSVFです。これにより、筋肉質で「パキン」とした乾いた感度が得られます。

AGS
軽量・高感度を実現するAGSはカーボンフレームを採用。チタンと比較して約3倍の剛性をもつカーボンの特性から、ラインを通して伝わるわずかな信号を吸収することなくダイレクトにブランクに伝える高感度。また、カーボンの軽量性によりスイングスピードの向上とティップのブレの収束の速さにより、飛距離とコントロール性能が大幅に向上。
そして、ティップセクション(トップガイド含む3個)には、ダイワが誇るカーボンガイドシステム「AGS」を搭載。 10ft超えのロッドにおいて、ティップの軽量化は「持ち重り感の解消」と「キャスト後のブレ収束」に直結します。 重いSiCリング+ステンレスフレームでは発生していた、キャスト後の「ボヨン」というお釣りが、このロッドでは皆無でしょう。振り抜いた瞬間にピタッと止まる。この快感は、一度味わうと戻れません。

第2章:現代サーフに特化した「マルチテーパー」
ラインナップを見ると、単純な「M」「MH」だけでなく、「ML/M」や「M/MH」といった表記が目立ちます。 これは、ティップとバットで異なるパワーを持たせた「マルチテーパー(変則調子)」です。
- ティップは繊細に(ML〜M): 近年のハイプレッシャー化したサーフでは、軽量なシンペンやワームを漂わせるような繊細な操作が求められます。硬いだけの棒では、バイトを弾き、離岸流のわずかな変化を感じ取れません。
- バットは強靭に(M〜MH): しかし、掛かる相手は座布団ヒラメやブリクラスの青物。波打ち際の攻防で主導権を渡さない強烈なバットパワーが必要です。
この「柔と剛」のバランスを、V-JOINTによるスムーズな継ぎで実現している点が、SXの真骨頂です。
第3章:ベイトサーフへの本気度
特筆すべきは、ベイトモデルが2機種(103ML/MB、106MHB)ラインナップされている点です。 「103ML/MB」のようなフィネスベイトモデルは、太糸を使いつつ軽量ルアーを扱えるため、根の荒い磯絡みのサーフや、テトラ帯でのランガンで強力な武器になります。 ダイワがサーフベイトを「ニッチな遊び」ではなく「実戦的な戦術」として捉えている証拠です。
第4章:注目機種ピックアップ
私の経験則から、特に「使える」と感じた3本を厳選しました。
■ 109ML/M 【サーフフィネスモデル】
遠浅サーフの切り札。10ft9inの長さがありながら、MLのティップを持つ異端児。 飛距離を稼ぎつつ、手前のブレイクで食ってくるスレたヒラメを、違和感なく食い込ませるためのロッドです。
■ 106M 【マイルドスタンダード】
迷ったらこれ。30g前後のジグや12cmミノーを一番気持ちよく飛ばせる「ど真ん中」のスペック。 SVFブランクの恩恵を最も感じやすい、汎用性の高い一本です。
■ 1010M/MH 【ヘビープラグモデル】
冬の寒鮃(カンビラメ)や、大型青物狙いに。 ヘビーシンペンをフルキャストし、沖の潮目を直撃するパワーゲームならこのモデル一択です。
| アイテム | 説明 |
|---|---|
| 99ML/M | 【テクニカルフィネスモデル】 サーフロッドとしては繊細なMLクラスのティップと、飛距離とパワーを担保するMクラスのバットが特徴。繊細なティップで、小型のジグヘッドリグや、シンキングペンシル等を的確に操作することが可能。ハイプレッシャー化が進む現代のサーフで圧倒的な釣果をたたき出すためのフィネスロッド。 |
| 911M/MH | 【ハイパワーテクニカルモデル】 しなやかなMクラスのティップを持ちながら、強靭なMHクラスのバットを持つショートモデル。小型メタルジグやミノー等を軽快に操作しながら、青物や座布団ヒラメのような大型魚とのファイトに対応。ベイトが小さい時等、ロングロッドでは捕れないシチュエーションで魚を捕るためのショートロッド。 |
| 103MH | 【ロングディスタンスジグモデル】 パワーがありながらも、ルアーウェイトを乗せやすい素直なテーパーが特徴。メタルジグを中心に、重量があるルアーを遠投し、軽やかに操作できるレングスも魅力。ジグが効くエリアや状況にフィットするパワーロッド。 |
| 103ML/MB | 【サーフフィネスベイトモデル】 繊細なMLクラスのティップに、ロングレングスとMクラスのバットパワーを併せ持ったベイトモデル。波にラインを取られにくく、軽量ジグヘッドや小型シンキングペンシルを操作しやすい操作性が魅力。ハイプレッシャー化が進む外洋サーフをベイトタックルで攻略する新スタイルを提案するフィネスロッド。 |
| 106MHB | 【ヘビープラグベイトモデル】 ハイパワーなブランクでありながら軽量性を兼ね備えるベイトモデル。巻き抵抗の大きなミノーやバイブ等を軽々と扱うことができる。太糸で飛距離を確保でき、巻きトルクのあるベイトリールの魅力を最大限発揮できるパワーロッド。 |
まとめ:軽さは「武器」になる
「オーバーゼア SX」は、ただ軽いだけのロッドではありません。 SVFとAGSによる「軽さ」が、感度を増幅し、アングラーの疲労を削ぎ落とす。結果として、集中力が持続し、「最後の一投」の精度が変わる。 そんな、釣果に直結する軽さを持ったロッドです。
2026年4月、サーフの景色を変えたいなら、このロッドを手に取るべきでしょう。
それでは本日も皆様の爆釣と安全釣行をお祈り申し上げます。

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